神経内科、脳神経外科、整形外科などからの転科が多いリハビリテーション科
脳卒中後の片麻痺、神経筋疾患、脊髄損傷、末梢神経障害、骨関節疾患(関節リウマチなど)、慢性腰痛などに悩まされる患者に対して、医学的治療や治療的訓練を行うリハビリテーション科に対するニーズは、社会の高齢化と入院日数の短縮化によって年々高まっています。
しかしながら、リハビリの専門医は全国で約3000人不足しているされ、多くの医療機関が、神経内科、脳神経外科、整形外科から転科を希望している医師を積極的に採用しています。新規にリハビリテーションかを新設する病院も多く、今後しばらくはこの流れが続くと思われます。
患者の身体所見を一つ一つ丁寧に観察し、疾患やリスクファクターなどの特徴とその結果を総合して、どの点に注意し、最終的な目標をどこに置いてリハビリを行えばよいのかなど、患者に合わせたアセスメント&プランを行う必要があるため、医師にはクリエイティブな要素が求められます。未だに未開拓な領域のため、研究志向の強い人は伸びしろが期待できます。
臨床現場では、看護師をはじめ、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)、ST(言語聴覚士)、管理栄養士らのスタッフを管理する能力が求められるので、リーダーシップに富んだ人が好まれます。実際、管理栄養士との連携が不十分だったために、高齢者に対する機能回復訓練を行いすぎた結果、体重減少や骨折などのトラブルが全国の医療機関で多発しているため、「一匹狼的」な医師は敬遠される傾向にあります。
患者の社会復帰をサポートするのが最大の目的
リハビリテーションが必要となるのは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や交通事故だけでなく、さまざまな原因で何らかの障害が生じたときです。高齢の患者では、長期間安静にしていることで起きる「廃用症候群」から日常生活上の不自由がおきやすいので、早期からリハビリテーションが必要になります。心筋梗塞や狭心症をはじめとする心疾患や、呼吸障害、慢性の痛みなどに対するリハビリテーションも行われており、現在のリハビリテーションはその領域が広範囲になっています。
入院をしてリハビリテーションを受ける場合の選択肢としては、@リハビリテーション科のある一般病院、Aリハビリテーション専門病院、B長期入院可能な療養型の病院・施設があります。
また、退院したからといってリハビリテーションが終わるわけではなく、様々な訓練を続けて行う必要がある場合もあります。廃用症候群が再び起きる可能性もあるので、退院後も柄胃リハビリテーションのために通院し、定期的なチェックを受けることになります。
通院・通所でリハビリテーションを受ける場合には、上記の@、Aに通院するほか、地域のリハビリセンターや、障害者福祉センター、保健所などの機能訓練事業を利用する方法などがあります。
いずれにしても病気や事故から無事に社会復帰を遂げた後も自身の機能と能力を最大限に引き出すことができるように、患者はリハビリテーションを継続する必要があります。通院終了後も自主訓練を行い、可能であれば、半年後とに病院でチェックを受けることが望ましいとされています。症状が悪化し、廃用照合君などが現れた場合は、集中的な外来でのもしくは入院でのリハビリテーションを行うことになります。